老親がワープロ代わりに使っていた2011年製Windows7のノートパソコンがありました。
ネットワークにもつながれておらず、ウィルス対策ソフトもなし。
CPUはCorei3で、メモリは2GB。
本来なら捨てたほうがいいレベルなのでしょうが、ほとんど使われていないのでなんだかもったいないなと思いました。
そこで、苦心しましたが、いろいろと手を加えたらかなり使えるレベルにまで達したので、どなたかの役に立てばと思い、記事にして紹介します。
なお、このパソコンにはほとんどデータが入っていなかったので問題なかったのですが、あらかじめ必要なデータはバックアップを取るなどの対処はしておいてください。
精密機器を触るところもあるので、そのあたりは自己責任でお願いします。
あと、どうしてもWindows10のライセンスがありませんので、最終的には一部の機能設定ができない形となります。
そこはあらかじめご了承ください。
古いWindows7の基本スペック
機種:2011年製 富士通LIFEBOOK AH43/G
※家電量販店の特注モデルで、市販モデルとしてはAH42/Gに準じます。
CPU:Core i3-2350M 2.30Ghz
メモリ:2GB(最大8GBまで増設可能)
HDD:640GB
DVDスーパーマルチドライブ搭載
Wi-Fiは11nまで対応(ただし、アンテナは別売)
USBは2.0しかありませんでした。
私は自宅にWi-Fi設備を完備していますし、別のWindows10ノートパソコンを持っています。
それらを活用してチューンナップしましたのであしからず。
他のパソコンがないとちょっと厳しいと思います。
同じように挑戦される方は職場のパソコンでもなんでもいいので使えるものを利用してください。
まずはネットワークに接続
今の時代、PCをネットワークにつながないことには何も始まりません。
内蔵アンテナがなかったのでWi-FiにつなげるためUSB式のアンテナを購入しました。
USB2.0に合うタイプしか使えないので、とりあえずはこちらの製品を購入しました。
Wi-Fiのパスワードなどを入れてネットに接続しました。
かなり通信速度は遅いものの、なんとかつながりました。
そこまではよかったのですが……
Windows7だとウィルスバスターがインストールできない
ネットに接続したものの、ウイルス対策ソフトが利用できませんでした。
トレンドマイクロのサイトに行って最新のウイルスバスターをインストールしようとしたのですが、Windows7へのサポートは終了していて、そもそもインストールさえできません。
※ちなみに私はウイルスバスターを所持しています。1つの契約で、3ライセンス分の権利を持つことができるので、使用すること自体に問題はありません。
ならば、古いウィルスバスターのCDを持っているので、そこからインストールしてバージョンアップをしてはどうか?
そんな仮説を立てて挑戦してみたのですが、それでも駄目でした。
仕方ないので、Windows7に対応した無料のウィルス対策ソフトはないかとネットで検索。
すると、チェコ製の以下のソフトが使えることがわかりました。
とはいえ、いつまでも無料というわけにはいかないようでしたし、何よりウイルスバスターのライセンスを持っているのに使えないのはもったいないなと思うようになりました。
そこで、とりあえずこのアバストのウィルス対策ソフトをインストールし、Windows10にアップデートする方法を探ってみることにしました。
PCのスペック的にはWindows10にアップグレードしても動作できるみたいでしたので。
2024年でもWindows10に無料でアップデートする方法
ご存じのとおり、2024年現在、Windows7からWindows10への無料アップグレード期間はすでに終了しています。
今更できるのだろうかと疑問でしたが、いくつかのサイトを探ったところできると判断。
そこで、まずはマイクロソフトの公式サイトに移動。
このサイトに移動すると、「ツールを今すぐダウンロード」という項目があります。
要するにアップグレードするためのツールをマイクロソフトが用意してくれているわけです。
ツールをダウンロードしてみたら、こんなアイコンができます。
実行してみました。
すると……謎のエラーが出て起動しませんでした。
エラー画面は残していないのでどういうメッセージだったかは記憶があいまいなのですが、調べてみたところ、まさに原因不明のエラーということでした。
そもそもツールが起動しないのだからどうしようもありません。
起動ディスクを作る方法に方針転換
先ほどの公式HPを見ると、以下のようなことも書かれていました。
どうやら、昔のパソコンみたいに起動ディスクのようなものを作って、そちらから起動する方法があるようです。
8GBの容量があるメディアがあればよいとのことでした。
DVDやらUSBメモリを探したのですが、あいにく8GB以上のものがなし。
最終的に外付けのHDDがあったので、そこに先ほどのツールをインストールしました。
注意:このときHDDなどのメディアの中身はすべて消えてしまいます。大事なデータは必ずバックアップを取っておいてください。
そちらからツールを起動してみたところ、見事成功。
時間はかかりましたが、OSがWindows10にアップグレードできました。
アップデートしたものの、かなり遅い……
windows10にアップデートできたので、ウイルスバスターのダウンロードもできました。
とはいえ、スペックの問題なのか通信機能の問題なのか、ネットワークやプログラムひとつを起動するにもかなり遅くてストレスがたまりました。
当初のスペックは以下のような数値です。
このままでは使い物になりません……
SSD換装を思いつく
私は過去に別のPCをHDDからSSDに換装して大幅なスピードアップを実現したことがあります。
SSDは容量にもよりますが、大体1万円くらいで買えます。
まずはこの方法で高速化しようと考えました。
このとき、余計なことを思いつきました。
もうひとつのPCの中身を丸ごとSSDにコピーして、それをこのPCに取り付ければ、設定から何から何まで楽にできるのではないかと。
しかし、これは見事に失敗しました。
長時間かけてSSDにコピーしてみたのですが、取り付けてみたらBIOS設定の画面が出るだけでまともに起動せず。
そんなに甘くはなかったようです……
仕方ないので、SSDのフォーマットからやり直して、再度、このPCの中身をコピー。
取り付けてみると起動しました。
立ち上がりも動作もかなり早くなりました。
※SSD換装のやり方は先ほどの記事を参考にしてください。
メモリ増設をしてみる
かなり早くなったのですが、もうひと工夫。
このPCはマニュアルによると8GBまでメモリ増設が可能とわかりました。
そこで4GBのメモリを2つ購入しました。
このPCは上のマニュアルにあるように2枚を組み合わせて最大8GBにする形式となっています。
PCによって組み合わせが違うと思いますので、購入する際には気を付けてください。
あと、古いPCは使えるメモリ形式(この場合はDDR3形式)が決まっていますのでご注意を。
パソコンの裏蓋を開けてメモリを取り換えました。
※感電しないために、必ずバッテリーを外してから裏蓋を開けてください。
SSD換装に比べると衝撃的な速さというわけではないですが、それでも複数のプログラムを起動した際には、サクサクと動くようになりました。
ネットワークを高速化するためUSB3.0コネクタを増設
PCそのものは早くなったのですが、ネットワークが遅く、不満が残りました。
以上はUSENのサイトで計測したものですが、ちょっと信じられない速度ですよね……
我が家にあるWifiルーターは2.4GHZと5Ghz帯の二種類が飛ぶ形式なのですが、なぜか5Ghz帯が利用できませんでした。
光回線は1GBのコースに加入しています。
PC本体そのものが11nまでしか対応していないので11acや11axが使えるとは期待していなかったのですが、それにしても遅すぎます。
2.4Ghz帯は他の電子機器と電波を取り合うので、それが理由で遅かったのかもしれません。
とはいえ、理由ははっきりとわからなかったのですが、ひとつの原因としてUSB2.0がいけないのではないかという仮説を立てました。
USB2.0につないだアンテナでは、最大480Mbpsまでの速度しか出せません。
それも最大速度ですから実際はもっと落ちます。
これをUSB3.0にすれば最大5GBpsまで利用可能となります。
そこで古いパソコンにUSB3.0を増設する方法をネットで検索。
このPCにはEXPRESSカードスロットというものがあり、そこに専用のカードを買えば増設できることがわかりました。
EXPRESSカードスロットというのは、昔でいうPCカードの発展形で、USB3.0が普及するまでに一時的に利用された形式です。
端子が34ミリの形式と54ミリの形式があります。
以下のような製品です。
今ではほとんど見かけない製品で品薄のようです。
購入したい方は急いでください。
これをカードスロットに差し込むだけで、USB3.0が利用できるようになりました。
そこにWifiのアンテナを差してみたところ、見事5Ghz形式の電波を拾うことに成功。
通信速度も格段に上がりました。
オンラインゲームなどをしない私には十分な速度です。
普通の動画視聴やネットサーフィンをする分には特に問題ない速度です。
最終的な数値・スペック
ここまで改造した上で計測したのが以下の数字です。
当初の数値は以下のとおりですが、大きく違うのが一目瞭然ですね。
改造してから、特に速度的な不満はありません。
この記事も改造したこのPCから書いていますが、不自由はしていません。
ネット関連のブックマークやパスワード設定などは、今の時代googleのアカウントで引き継げます。
もう一台とのパソコンとはgoogleドライブを使って一部ファイルを共有していますので、こちらも不自由していません。
かかった費用ですがWifiのアンテナが1,200円程度、SSDが12,000円程度、メモリが3,300円程度、EXPRESSカードが2,200円程度です。
10年以上前のPCが20,000円以内の費用で現在も十分使えるスペックに改造できるなら、安いと思いませんか?
私は試してみてよかったと思っています。
どなたかの参考になれば幸いです。
ただし、あくまで自己責任でお願いします。
最後まで読んでいただいた方にだけお伝えします。
冒頭にWindows10のライセンスがないため、一部機能設定ができないと書きましたが、実は所持している別のPCのライセンス番号を入力したら、私は通りました。
特に現在のところ問題なく使えています。
何かに違反するのかはよくわかりません。
もし挑戦される方は自己責任でお試しください。
コメント
はじめまして。
私のパソコンも富士通の一体型windows7です。
今回windows10をクリーンインストールしましたが、
ブログ主様もwindows7のラインセンスキーしかない状態と思われるのですが今でも認証されるのでしょうか。
ご存知でしたら教えてください。
matsu様
コメントいただきありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ありません。
ライセンスの部分は実はこの記事では触れなかったのですが、所持しているもうひとつのPCのライセンスキーを入れたらなぜか通ったのです。
もしかしたら、何かに違反しているのかもしれませんが、今のところ問題なく使えているので、そのまま使用しています。
自己責任で試してみてください。