はじめに・遅いノートパソコン
我が家のノートパソコンは富士通FM-V AH53/X(型番ではFMVA53XWG)です。
それまでデスクトップ型のパソコンを使っていました。
しかし、場所を取るのと、家電量販店のクーポンが当たったのでノートに買い替えました。
このモデルはどうやら、その家電量販店がメーカーと提携して作ったオリジナルモデルのようです。
CPUにcorei7を搭載しているので速いだろうと考えて購入しました。
ですが、PC自体の起動が遅いだけでなく、オフィスソフトが開くのも遅く、それどころか画像さえなかなか開かない有様で、イライラが続いていました。
ひどいときにはソフトを起動する最中にフリーズすることもありました。
最初は不良品かと思ったくらいです。
常駐ソフトを削除するなど、設定を変えて足掻いてみたのですが、限界を感じてSSDへの換装を決めました。
理由はSSDの値段が大幅に下がったことと、HDDの遅さがネックであろうと判断したからです。
5400回転というのが、ネックだったのではないかと……まあ、7200回転だとエラーが出ることもあるみたいですが。
今回、1TBのHDDを1TBのSSDに換装します。
OSはWINDOWS10です。
SSD換装のために用意したもの
以下の製品を購入しました。
SSD業界ではSandiskとCrucialが2強のようですが、若干値段が安かったので、Crucialの方を選択しました。
クローンツールについては、最近はPCを介さずにHDDとSSDを直接挿し込んだらクローン(コピー)できるツールもあるようですが、今回「裸族の頭」を購入したのは、取り出したHDDを外付けドライブとして再利用したいと思ったからです。
下記写真を見ていただければわかりますが、専用キャリングポーチが付いています。
SSD換装までの流れ。今回やることは以下のとおりです。
↓
専用クローンソフトを使って、HDDからSSDにPCの内容をまるごとクローン(コピー)
↓
PC本体からHDDを取り出し、SSDに交換
↓
取り出したHDDを外付けドライブにする
手順としてはたったこれだけなんですが、データ量が多いと、コピーなどに時間がかかります。
簡単だなと思っていたのですが、実際、ちょっとしたミスから時間がかかることになりました……
以下に記します。
まずはSSDのフォーマットから
購入してきたSSDを箱から取り出し、「裸族の頭」付属のケーブルでPCにUSBで接続しました。
「コントロールパネル」から「システムのセキュリティ」→「管理ツール」→「ハードディスクパーティションの作成とフォーマット」へ進みます。
下記の画面を見てください。
実はこれは少し進んだ画面なのですが「ディスク0」と「ディスク1」という表示があるのがわかるでしょうか?
ディスク0が元のHDDで、ディスク1がSSDとなります。
フォーマットしていないので、「不明」とか「未割り当て」という表示が出ています。
ディスク1を指定してから、右クリックすると「新しいシンプルボリューム」という選択肢が出ますので、そこをクリックしてください。
下記のようなフォーマット画面が出ます。
次が問題です。
SSDのフォーマット形式は「MBR」と「GPT」という方式があります。
細かい説明は省きますが、簡単に言えば、GPTの方が新しい形式で、2TB以上のSSDを使用できる方式であり、MBRは2TB以下のSSDに使う古い方式です。
ここで私は勘違いしました。
自分のSSDが1TBだったことと、いろんなサイトを見ていたら、MBR方式でしたほうが確実というようなことが書かれていたので、MBR方式でフォーマットしてしまったのです。
事前に現在のHDDが「MBR」か「GPT」方式かを必ず確認してください。
確認方法は先程の「ハードディスクパーティションの作成とフォーマット」画面です。
元のHDD(ドライブ0)を指定したあと右クリックし、「プロパティ」→「ボリューム」と進むと「パーティションスタイル」という項目があり、そこに表示されています。
あとで気づいたのですが、私のPCのHDDはGPT方式だったのです……
とりあえず、失敗例も含めて、このあとの説明を続けます。
フォーマットを続けてください。
※「クイックフォーマット」というチェックボックスがあって、チェックが入っていますが、そのままで結構です。
フォーマット自体は短時間で終わります。
フォーマットが終われば、ディスクとして認識されます。
続いてクローン(HDDのコピー)を行います。
SSDメーカー製のクローンソフトもあるようですが、今回は「裸族の頭」付属のCDに入っているクローンソフトを使いました。
一目瞭然だと思いますが、ディスク0のHDDからディスク1のSSDへクローンする形となっています。
このとき、SSDの容量がHDDより少ないと「スタート」のボタンがクリックできないようです。
たまにSSD容量1TBなんて書いてあっても、実質980GBなんてSSDもあるようなので、購入の際には気をつけてください。
もっとも、それでもクローンする方法はあるようですが。
とにかく「スタート」をクリックして、クローンを開始しました。
以下、失敗談が続くので「お前の失敗談などどうでもいい」と思われる方は、あとのほうまで読み飛ばしてください。
私の場合、USB3.0でSSDを接続していましたが、写真データや動画データの退避などをしていなかったせいか、クローンに約5時間かかりました。
進行度95%くらいまで進んだので、「あと少しだな……」と思って風呂に入りました(笑)
風呂から上がり「終わったかな……」と思って見てみると、エラーが出て止まっていました(涙)。
以下はそのときのログファイルです。
15:48から初めて、21:54まで待ちわびた挙句、「システムリソースが不足している……」というようなメッセージが出て、クローンが中止されていました。
慌てて、ネットでこのエラーについて検索しましたが、クローンとは関係ない内容ばかり……
95%まで進んでいたので、もしかすると大丈夫なんじゃないかと思い、HDDとSSDを差し替えてPCを起動してみたのですが、結果は以下のブルースクリーンでした。
頭を抱えました。
今までかけた時間は一体……
しかし、あきらめるわけにはいきません。
もしかするとクローンソフトに問題があるのではないかと思い、違うソフトに変えてみようと思いました。
クローンソフトを変えてみました。
ネット上で評判だった「EaseUS Todo Backup Free」という無料でも使用できるソフトを選びました。
それと、画像や動画データが多いのがクローンに時間がかかった原因かと思い、それらのデータをまず「Googleフォト」に移行しました。
「EaseUS Todo Backup Free」のインストール方法については省略しますが、他のソフトと同様、内容に「同意」してインストールするだけです。
有料版を勧めて来ますが、必要ない場合は「後で」を選んで進んでください。
起動させると以下のような画面が出ます。
左下の○をしたところがクローンのボタンです。
クローンをクリックすると以下のような画面が出ると思います(バージョン11.5の場合)。
まずは元のHDD(ディスク0)にチェックを入れ、「次へ」をクリック、それからクローン先のSSD(ディスク1)をチェックします。チェックを入れてから「次へ」を押さずに、左下の「高度なオプション」をクリックしてください。
すると、このような画面になるので、「SSDに最適化」にチェックを入れてください。
それが終われば「次へ」→「実行」という形でクローンが始まります。
ちなみに「セクタバイセクタクローン」というのは、丁寧にクローンするという方法らしいですが、かなりの時間がかかるということで、通常は必要ないとのことです。
クローンが始まったので、どうせ時間がかかるだろうと思って、この日は寝ました。
朝になって確認すると……
「エラー」が出て止まっていました(涙)
エラーメッセージは画面コピーを取りそこねたので残っていませんが、あきらかに途中で止まっていることは間違いありませんでした。
これまたいろいろとネットで検索しました。
しかし、そのエラーに対処する方法はありません。
それどころか、再度、クローンをしようとしても、また謎のエラーが出て、クローンの開始さえしてくれなくなりました。
それならば……と、「裸族の頭」付属のソフトでもう一度クローンに挑戦してみたのですが、こちらも「アクセスが拒否されました」なんて以下のようなエラーが出る始末……
もしかして、「SSDの初期不良か?」とまで疑ってしまいました。
しかも、一部サイトでは「富士通のパソコンは特殊な場合がある」なんて書かれている始末。
途方に暮れてあちこちいじっていたら、あることに気づきました。
さきほどの画面ですが、よく見てみると、HDDの形式が「GPT」となっています。
しかも、クローンソフトの影響かどうかわかりませんが、SSDの方まで「GPT」と表示されています。
フォーマット形式を間違えていたのですね。
今度はMBR形式をGPT方式でフォーマットし直す方法について調べました。
しかし、それをしようとすると、工場出荷時の状態に戻さなくてはならないらしく、フリーソフトなどを使って、かなりの手間をかけないといけないようでした。
「管理ツール」のところで、フォーマットを再度しようとしますが、なぜかMBRとGPTの選択肢がなく、「NTFS」と「exFAT」という選択肢しかありません。
でも、これで良かったのです。
理由はわかりませんが、ディスク1を再度「NTFS」形式のまま「クイックフォーマット」して、さきほどの「EaseUS Todo Backup Free」でもう一度クローンをやり直してみました。
すると、上の画面のように順調にコピーが進んで行き、最後、「ディスククローンが正常に完了しました」というありがたいメッセージが。
しかも、データを減らした効果があったのか、1時間22分でクローンが終わりました。
5時間かけたのは一体なんだったのでしょう?
以上のように、正常に認識されています。
パーティションの数字が微妙に違う理由はよくわかりません。
しかし、無事完了したので、いよいよHDDを取り出し、SSDに交換します。
2020.01.13追記・便利なソフトがあります。
この「MBR」と「GPT」についてですが、今は変換できる便利なソフトがいくつかあるようです。
上の2つのソフトは形式変換だけではなく、SSDやHDDのパーティションなども簡単にできるようです。
私のように余計な時間を取るより、このソフトを使えば早いと思います。
無料版もあるようなので、そちらを試されてから、プロ版を購入されてはいかがでしょうか?
HDDからSSDへの交換
精密機器を取り扱うことになりますので、以下の作業は自己責任で行ってください。
電源を抜いてから、パソコン裏のネジを4つほど外しました。
感電の恐れがあるので、念のため、バッテリーも外しました。
バッテリーの横にある小さな装置がハードディスクです。
ネジを2つ外し、最後はケーブルを抜けば、取り外せます。
少しぼやけた写真ですが、こんな感じです。
ちなみに周囲を覆っている金属のカバーはSSDを固定するのに再利用します(以下の画像)。
壊れやすい部品なので力を入れすぎないよう気をつけてください。
ネジが同じ位置に入ります。
すべてのメーカー製品が同じ位置なのかはわかりませんが、おそらくほとんどは同じだと思います。
ネジを締めて、バッテリーを再セットし、蓋を閉じればできあがりです。
さて、運命の瞬間です……
SSD換装、結果は……
見事、立ち上がりました。
しかも、あきらかに速いです。
わかりやすいよう数値で表します。
<あらかじめ計測しておいたHDDの数値>
<SSD換装後の数値>
一目瞭然ですよね。
比べ物になりません。
今までのイライラはなんだったのかと思うくらい、起動も画像表示もサクサク。
ちなみにSSDドライブもちゃんと「GPT」として認識されています。
SSD換装・まとめ
すべてのつまづきの原因はフォーマット形式を間違えたことでした。
くどいようですが、フォーマット前には必ず形式を確認してください。
もしかすると、フォーマット形式さえ間違えていなければ、「裸族の頭」の付属ソフトでもスムーズにクローンできたのかもしれません。
あと、クローンに時間をかけたくない場合は、ある程度データを外部ストレージに退避させておくことをおすすめします。
以上、私のSSD換装失敗記録です。
同じように苦しんでおられる方に、少しでもお役に立てば幸いです。
今は1TBのSSDも13,000円くらいで購入できますから、今のパソコンにイライラしていて、新しいのを買う前に、SSD換装を検討されてはいかがでしょうか?
買い換えるより、よほど安上がりだと思います。
やってみる価値はあると思いますね。
2021追記・パーティションしました。
このドライブですが、後にふたつに分割しました。
以下の記事にやり方を示してあります。
2024追記・windows7PCをアップデートして高速化しました。
このときの経験を活かしてwindows7の古いPCをwindows10にアップグレードした上でSSD換装などをして高速化しました。
コメント
拝読させていただきました。詳しい説明ありがとうございます。貴重な情報をまとめていただいて、ありがとうございます。パーティションの移動/サイズ変更/拡張/結合/分割/論理パーティション化/削除/フォーマットやクローン作成などの機能もありますか。分かりやすい操作画面がで数回クリックするだけ操作できます。無料版でも使えるって、いざという時の備えとして、パソコンを新調した場合は役立ちますね。SSD増設のため、こちらの方法を利用しようと思いましす。パーティションの管理などのでき、多機能だし、試したいと思います。